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2015.08.03

新作リングのご紹介2

新入荷石のご紹介の予定だったのですが、新作ジュエリーが完成しましたので急遽ブログの内容を変更させていただきました。
秋の展示会のテーマは特殊効果石ということもあり、
アレキサンドライトと非加熱ブルースターサファイアのジュエリーを製作しておりました。
展示会間際での完成となりましたがどちらもLa Legendeを代表するようなジェムクオリティーの逸品です。

アレキサンドライトリング A3.57ct D4.04ct

ブラジル・イマティタ鉱山産アレキサンドライト。
ここ数年閉山の噂はささやかれていましたが正式に閉山されたことが確認されました。
世界に流通するアレキサンドライトの90%以上を産出していたとされる鉱山の閉山だけに、
今後の供給・価格動向等の注目されるところであります。

元々産出量が少なく1CTを超えるジェムクラスの大粒石は年間を通しても数えるほどしか出会えませんが、
高濃度・高彩度の100%変色タイプで3CTUPは滅多にお目にかかることが無い非常に価値の高い1石です。
アレキサンドライトも非加熱ルビー・パライバトルマリンやデマントイドガーネットなどの宝石と共に
1CT・2CT・3CTと大きさにつれて格段に価格差のある宝石ですが、
このクラスになりますともはや相場は存在しません。
ベースカラーの地色は深いピーコックブルー、この地色を持つが故に白熱灯では真っ赤な変色を見せてくれます。
淡い地色のアレキとは一線を画す重厚な高級感、純白無垢なダイヤとの対比は抜群の存在感を放ちます。
価格は展示会での発表とさせていただきます。

非加熱ブルースターサファイア S6.81ct D2.10ct

ブルースターサファイアもルースでのご用意はあったものの
ジュエリーとしての作りはLa Legendeとしても初になります。
通常サファイアのアステリズム(スター効果)は内包されたルチル(酸化チタン)と呼ばれるインクルージョンが
サファイアの結晶形にそって平行に入ることにより光の反射によって引き起こされるものです。
スターサファイアで価値が高いのはきれいなスターが出ることとよく言われるのですが、
サファイアのブルーの発色要因は鉄とチタンです。
つまりブルーサファイアは必然的にチタンを内包します、
スターが美しく現れるということはジェムクラスのスターサファイアには当然のことなのです。
ちなみにルビーの発色要因はクロム・鉄ですのでスタールビーの出現率はスターサファイアに比べて圧倒的に少ないです。
スターサファイアの評価のポイントはスター効果・色・透明度です。
ジェムクラスのスターサファイアではスター効果の美しさはもちろんのこと、
非加熱サファイアとしても価値の高い色と高い透明度が求められます。
全てが高次元でバランスのとれたスターサファイアとなると産出量は非常に少ないものです。
非の打ち所の無い素晴らしい逸品、
光を受けて微細なルチルのインクルージョンが虹色に煌めく様子が上質なスターサファイアを証明してくれます。
こちらも価格は展示会での発表とさせていただきます。

次回ブログの予告です。
新入荷石トッピンのラウンドカット、何の宝石でしょう?
屈折率の幅が広いゆえに宝石の内部でまるでネオンを帯びたように光が漂う様子が本当に美しい1石です。