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2015.10.25

カラーストーンと太陽光 vol.2

カラーストーンと太陽光の関係について前にも紹介しましたが、今回は青色系宝石の写真をアップしてみました。
リッツカールトン東京展示会で早朝にに撮影した写真です。

S009AY アクアマリンリング(サンタマリア)

アクアマリンも濃度の濃い上級品はサンタマリアと呼ばれます。
かつて濃度・彩度の高い逸品を産出したことで有名なブラジルのサンタマリア鉱山が名前の由来です。
昨今アフリカでも上質なアクアマリンの産出がありますが、色は濃いのですが彩度の低い宝石が多いのも事実です。

「サンタマリアアクアマリン」の最も上級に位置する宝石は写真のようにファセットから美しい青色が現れます。
早朝の太陽光でもこの美しさ、日中の青さは言うに及びません。
暗さの無いアクアマリン、大きさ・品質・カラーバランスの採れた逸品となると意外と探すのが難しい宝石です。
次の必要がない1石、アクアマリンという宝石の真の美しさを教えてくれる逸品です。

S030JY エレメジェバイトリング

こちらの宝石を初めてご覧になられる方もいらっしゃるかもしれません。
ナミビア・エロンゴ地区で、ごく少量採掘されるだけの超レアストーンです。
ホウ素を結晶構造に含む宝石としては非常に珍しいホウ酸塩鉱物に属します。
コランダム(ルビー・サファイア)と同じ六方晶系ですが、通常は結晶が小さく
内包物も入りやすいため宝石質でファセットカットされることはほとんどありません。

非常に幻想的なブルーを身に纏う宝石で、写真で見るよりも実際には吸い込まれそうな煌めきを放っています。
写真は早朝に撮影したものですが、青色系宝石は朝日夕日よりも日中の太陽光のほうがより青味を増して感じられます。
ぜひ展示会で実物をご覧になってみてください、独特なオーラの虜になるかもしれません。

S026BY  ベニトアイトリング

レアストーンばかりで恐縮ですが、ベニトアイトもまた個性豊かな宝石です。
屈折率は青系宝石でも屈指の高さ、サファイアよりもよほど輝きの強い宝石です。
なおかつファイアの現れる光の分散値もダイヤモンドよりも高いとなれば、美しくないはずがない宝石です。
青系宝石でファイアの楽しめる宝石は非常に少ないです。

残念なことに鉱山の閉山と総産出量の圧倒的な少なさゆえに、大粒ベニトアイトの上級品は見る機会がほとんどありません。
しかも内包物の入りやすい宝石となればジェムクラスの2CTUPはもはや幻ともいえるでしょう。
写真通りの彩度の高いブルーカラー、顕著なブルーとカラーレスの2色性、
パーフェクトなカスタムカットから現れる鮮烈なファイア・・・
息をのむ美しさです。