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2017.01.09

カラーレスという色石

無色透明石というとみなさんは何の宝石を思い浮かべますか?
まずダイヤモンドという答えに間違いないでしょう。
実際ダイヤモンド以外のカラーレス(無色透明)の宝石は全てカラーストーンの中に含まれます(少々気持ちは複雑ですが 笑)。
つまり水晶もカラーストーンです。

水晶のようにたくさん採掘される宝石以外にカラーレスの宝石というのは案外少ないものです。
ただ、カラーレスの宝石はラ・レジョンにはたくさんあります(笑)
ホワイトサファイア・ホワイトクリソベリル・アクロアイト・ゴッシェナイト・
ホワイトジルコン・ダンビュライト・リューコガーネット・オパール等
まだまだたくさんありますがみなさんご存知の宝石はどのくらいありましたか?

この機会にカラーレスの宝石を少しご紹介したいと思います。
IJTで私が買おうと思うようなものはほぼ無いのですが知人のバイヤーからの情報で面白い宝石に出会いました。
若干趣旨が外れてしまう宝石かもしれませんが、こちらの宝石も
実はカラーダイヤモンドのグレードが付く宝石なのです。

ファンシーホワイトダイヤモンド

2CTに迫るサイズのラウンドファンシーホワイトダイヤ、絶妙な乳白色の非常に幻想的で美しい逸品。
かつてブラジルやロシアからごくわずかに産出されたとされる幻のダイヤモンド。
発色原因が完全には解明されていないというまさしく秘密のヴェールに包まれた宝石。

曇りすぎてもテリが弱く、ヘイジーさが無さ過ぎても魅力に欠ける宝石。
なかなかど真ん中といえるジェムクラスの宝石に出会えないのが難しいところです。
ダイヤモンドらしいテリのよさ、優しい幻想的な風情、なんともいえない特徴を持った希少石です。
ようやく出会えたトップクオリティーのファンシーホワイトダイヤモンドです。
展示会でぜひご覧くださいませ。

カラーレスエレメジェバイト

どうも私がエレメジェバイトが大好きな日本人と思われているようで
様々なエレメジェバイトを見る機会が増えて来ておりますが、
ここまで大粒のカラーレスエレメジェバイトは初めて出会いました。

ほぼ8CTというサイズ、若干肉眼でも確認できるニードルのインクルージョンはありますが
このサイズ、もはやそのようなレベルでは語れない一石。
ナミビアエロンゴ地区でももう採掘が終了したとの報告ももらいました。
希少価値の抜群に高い宝石、大粒石はIJTでも全く見かけませんでした。

カラーレスクリソベリル

こちらも非常に珍しいカラーレスの宝石、産出量の少ないクリソベリルにあって
完全カラーレスな宝石はほぼ見かけることはありません。
実際、GIAのラボマニュアルにすらカラーレスは無いことになっていました・・・

カラーレスサファイアリング

サファイアに迫る高い硬度(8.5)と屈折率(1.74~1.75)から照る眩い煌めきが本当に美しい一石。
うっすら黄色味が入ることが大半のクリソベリルで4CTに迫る大粒ジェムクオリティーの逸品。
探して見つかるレベルの宝石ではありません。

12CTを超えるこちらも完全カラーレスなサファイア。
大きさ・クオリティー・カラーどれをとってもこれ以上は無いとも言える絶品のサファイアです。
発表早々にリザーブとなりましたが、ご紹介だけさせて頂きます。

コランダムの純粋な結晶は本来無色です、ですがわずかな元素が入ることで
ルビーにもブルーサファイアにもなり得る宝石。
クリソベリルと同じく、完全カラーレスの宝石は本当に見ることはありません。
これは完全無色のダイヤモンド(Dカラー)が少ないことと同じです。
ダイヤモンドよりもはるかに産出量の少ないカラーレスサファイア。
同じサイズのダイヤモンドよりも圧倒的に希少価値は高く、
次をご用意することはほぼ不可能に近いでしょう。

カラーレスというカラーストーンもまた、希少価値という名の行き着く先の宝石のひとつと言えるでしょう。