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2017.05.09

トルマリンという宝石vol.1

先日面白い宝石に出会いました。
まるでパロットクリソベリルを彷彿とさせる蛍光感を持ったような不思議な黄緑色のトルマリンです。
トルマリンは比重が軽いので5CTあるとかなりの存在感です。

パロットトルマリン 5.01CT

そこでトルマリンという宝石について何回かに渡ってブログを書いてみようと思います。
トルマリンはみなさんご存知の通りありとあらゆるカラーバリエーションが存在します。
パライバトルマリンが一躍有名になってその存在感がより増してきたように思いますが、
トルマリンは非常に個性豊かな宝石たちのバリエーションを持ちます。

ガーネットと同じく固溶体であるトルマリンはあらゆる元素を結晶の成長過程に取り込むために、
非常に複雑な鉱物種に分類されます。
ですが宝石として流通するトルマリンの大半はエルバイト(リチア電気石)と呼ばれる種類で、
マグマが冷えて空洞化したところに現れるペグマタイト鉱床が主な産出形態です。
面白いことにペグマタイト鉱床は集中した場所に同じ成分で結晶が成長するため、
大量に同じタイプの原石が採掘されるという特徴を持ちます。
ゆえに一気に市場に流通するのですが掘り尽くされるのも早いために市場から無くなるのも早いのです。

トルマリンは三方晶系で硬度7~7.5あり宝石としても十分な耐久性を持ちます。
また10月の誕生石にも指定されています。
多産な宝石の印象もありますが、カラーバリエーションによってはかなり希少な種類があるのも
この宝石の実に面白いところでしょう。
パライバトルマリンが最も評価が高いのは間違い無いでしょうが、
藍色のトルマリン、通称インディゴライトトルマリンもまた希少な宝石です。

インディゴライトトルマリン 3CTUP 

写真の技術が未熟でこの宝石の特徴を捉えきれていませんが、
深く濃いインディゴカラーの地色からまっすぐに鮮烈な青色がさす瞬間がたまらなく美しい宝石です。
すでに鉱山が閉山したブラジルのインディゴライト、ラウンドカットは非常に貴重です。

また対照的に赤いトルマリンも希少な宝石です。
ルビーのように赤いという意味からルベライトとも呼ばれることがありますが、
昨今ではピンクがかったルベライトが多くこちらのようなルビーレッドのルベライトは少なくなってきたように思います。
多色性の強いトルマリンは見る時間や光源でも魅せる表情が異なり風情のある宝石です。

レッドトルマリン(ルベライト) 7CTUP

8CTに迫るパーフェクトなルベライト、トルマリンならではの表情豊かなやさしい煌きかたが大変美しい一石。
トルマリンやトパーズといった屈折率1.60代の宝石は宝石の内部に色が漂っているかのような
独特な発色の仕方をするのでより多色性の特徴が出やすく個人的に大好きな宝石でもあります。

次回はトルマリンのカラーバリエーションについてもう少しご紹介してみたいと思います。

緊急でとんでもない石が入荷したのでアップしてみます。
さて何の宝石でしょうか?
なぜか最近カラーレスによく出会います(笑)
あえて黒背景にしたのでグレイッシュに見えますが完全カラーレスといっても良いくらいの逸品。
4CTUPラウンドカットは20年のコレクター人生で初めての出会いです。